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🌾種もみの準備

皆さんこんにちは!

 

新潟県糸魚川市にてお米をはじめとする農作物を育てている

吉農園、更新担当の富山です。

 

 

 

🌾種もみの準備

 

 

 

土づくりと同じ時期に、もう一つ欠かせない大事な作業があります。

それが「種もみの準備」です。

稲作においては、最初にどんな種を選び、どう扱うかが、その年の収穫を大きく左右します。

小さな一粒の種が、のちに広大な田んぼを黄金色に染める――その始まりがこの工程なのです。


種もみの選別

 

種もみはすべてが同じ品質ではありません。中には不完全に育った粒や病気にかかった粒も混ざっています。そのまま使うと発芽がそろわず、苗が弱々しく育ってしまいます。

そこで行われるのが「塩水選」です。塩を溶かした水に種もみを入れると、充実して重い粒は沈み、軽い未熟な粒は浮きます。浮いた粒を取り除き、沈んだ粒だけを残すことで、強い苗に育つ可能性が高まります。

この方法は昔から受け継がれてきた知恵で、シンプルながら効果抜群。まさに“苗づくりの第一関門”です。


病気を防ぐための消毒

 

選び抜かれた種もみも、そのままでは病気のリスクがあります。苗立枯れ病などにかかると、せっかくの努力が水の泡になることも。そこで、薬剤での消毒や「温湯消毒」が行われます。

温湯消毒は、60℃前後のお湯に種もみを一定時間浸ける方法。病原菌を死滅させる効果があり、薬剤を使わないので環境にも人にも優しいと注目されています。近年ではこの方法を取り入れる農家も増えています。


水に浸けて芽出しの準備

 

消毒を終えた種もみは「浸種」と呼ばれる工程に移ります。数日間水に浸けて吸水させることで、芽が出やすい状態にします。水温や浸ける日数は地域や気候によって調整し、農家の経験がものをいいます。

次に行うのが「催芽(さいが)」。一定の温度で管理すると、小さな芽が出てきます。この芽がほんの少し顔を出した状態で播くのが理想です。発芽が揃い、丈夫な苗が育つ確率がぐんと高まります。


昔と今の違い

 

かつては、種もみの準備は家族総出の仕事でした。

桶に種を入れて塩水で選別し、竈でお湯を沸かして温湯消毒を行い、発芽の具合を見ては一喜一憂していました。

今では機械や専用設備を使って効率的に処理できますが、「良い種を選び、ていねいに準備する」という考え方は昔から変わりません。


種もみに込める願い

 

農家が種もみを手に取るとき、そこには特別な思いがあります。

「この小さな一粒が、秋には立派な稲穂になる」という期待です。

一粒一粒の選別や管理には、手間も根気も必要ですが、その分だけ豊かな実りにつながります。


まとめ

 

  • 種もみはその年の稲作を左右する重要なスタート。

  • 「塩水選」で未熟な粒を取り除き、元気な種を選ぶ。

  • 消毒や温湯処理で病気を防ぎ、安全に育てる準備をする。

  • 浸種・催芽で発芽を整え、苗代に備える。

  • 昔も今も、ていねいな種もみ準備が豊作のカギとなる。

秋の実りは、一粒の種もみに込められた農家の願いから始まるのです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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